地御前牡蠣の魅力
広島湾一帯では、縄文・弥生時代から天然の牡蠣が食べられていました。 養殖は室町時代からスタートし、日本で最初に始めたのも「安芸国(広島県)」といわれています。 干潟に牡蠣を付着させて育成を待つ「石蒔き養殖」から、竹枝のひびに牡蠣を付着させて海に建てる「ひび建て養殖」、さらに現在の移動式「いかだ養殖」へと移っていきました。 波静かな地形が養殖いかだの設置に適し、今でも広島かきは全国シェアの約6割を占めています。名実共に広島は「牡蠣のふるさと」といえるでしょう。
広島かきの特徴は、ひだがくっきりと黒く、濃厚な甘みを持っていること。 地御前沖は広島湾の西側に位置し、広島市の太田川、山口県の小瀬川、さらに原生林の残る宮島から清流が注ぎ、ふくよかな汐が集まり、ひときわ粒が大きく、味の良い高品質な「地御前かき」を育んでいます。 東京の「豊洲市場」でも人気ブランドになっています。 「牡蠣のゆりかご」を守ろうと、地御前漁協の若者たちは源流付近での間伐や植林活動を行いながら約50年続く海底を耕す海底耕うん作業や底質環境の改善として粉砕牡蠣殻の散布などで漁場のメンテナンスを行い自分たちの畑(海)を守っています。
世界文化遺産「厳島神社」の対岸の位置には「地御前神社」が。名前の通り、厳島神社の外宮社として本宮社と同じ593年に建立されたと伝えられる由緒あるお社です。 名前の由来は「地の御前」から。厳島神の母神様を祀っていて、管絃祭(旧暦6月17日)には、神様が厳島神社と地御前神社を往復すると言われ、毎年華やかに祭りが行われています。(当社は、管絃船の水先案内船を務めさせていただいています。) この地御前神社に抱かれるように地御前漁港があります。